和名・英名
ウトウ  Rhinoceros Auklet
学 名
Cerorhinca Monocerata
分 布
我が国では北海道や本州北部の島嶼(天売島、松前小島、椿島、他)で繁殖し、冬期間は本州周辺の太平洋や日本海で見られる。九州近海でもまれに観察される。世界的には北太平洋の亜寒帯から温帯にかけて分布する。
計 測
全長 約37.5cm、嘴峰 32-37mm、翼長 172-186mm、ふ蹠 28-32mm
食 性
カタクチイワシ、イカナゴ、キュウリウオなどの魚類やイカ類
卵 数
1個
 卵
光沢のない白色で薄い灰色の目立たない線斑が散在
個体数
2008年 約1,000,000羽 繁殖数は約40万つがい

ニワトリの卵よりやや大きい


天売島が世界最大の繁殖地 その数100万羽!!

 ウトウはハトぐらいの大きさの海鳥で、腹部の白をのぞいて全身のほとんどが黒である。夏羽では、目の後方と頬に白い飾り羽が生える。また、オレンジ色の嘴の上嘴基部に、繁殖期だけ10mmほどの突起ができる。
 繁殖期を除いて陸にあがることはなく、それ以外は海上で生活する。陸上での歩行は機敏だとはいえず、それに対し水中では羽ばたきながら巧みに潜水する。飛翔は直線的で、小刻みに羽ばたきながら海面近くを飛ぶのが一般的である。
くわえた餌をウミネコに横取りされるのはよく知られるが、ウトウ同士が魚を奪い合うことはあまり知られていない

草が生える前の巣穴がよく見える斜面(4月)

7月いっぱいでほぼ終わるヒナの巣立ち

 巣は海に面した草の生えた斜面に穴を掘って利用する。ウトウは集団で繁殖し、北海道天売島の繁殖地では10m×10mの斜面に200前後の巣穴が見られる。巣穴の大きさは直径20〜30cm前後で深いものでは2mにも達し、複数の巣穴が地中で合流したりしている。
 ウトウは、我が国では本州北部以北の島嶼で繁殖し、特に北海道天売島は世界最大の繁殖地で、1963年の調査記録によると80万羽が生息したとされる。生息数が多くその場所が地中なだけに調査方法によって結果は大きく異なり、約40万羽が生息するとする報告もある。

巣立ったヒナは断崖を降りて暗いうちに海へ着くことを目指す
 天売島の場合、ウトウは3月中旬頃に繁殖地に姿を見せる。日中は海上で過ごすため、繁殖地の斜面ではその姿をほとんど見ることはない。無数のウトウが日没後にいっせいに帰巣する様は壮観で、天売島以外では観察できない光景である。4月中旬に穴の奥に1卵を産み、5月中旬から孵化が始まる。雛がかえると親鳥はイカナゴなどの魚をくわえて、日没後に1度餌を巣穴に運ぶ。7月に入ると巣立ちが始まり、8月初旬までに大部分が天売島から沖合に姿を消してしまう。