和名・英名
ウミスズメ  Ancient Murrelet
学 名
Synthliboramphus antiquus
分 布
東北地方北部より北では留鳥、南には冬鳥として渡来し、海上、海湾などに生活している。
計 測
全長 約25.5cm、嘴峰 13-16mm、翼長 130-143mm、ふ蹠 26-28.5mm
食 性
小魚類(ボラ、イカナゴ、イワシ)や甲殻類、軟体動物の貝類など
卵 数
1〜2個 稀に3個
 卵
黄褐色、クリーム色、淡青緑色などの地に暗褐色などの斑紋や斑点が散在する。
個体数
2008年 不明

画像なし


繁殖は確実 しかし実態は不明

 ウミスズメは、ウミガラスやウトウ、ケイマフリと同じウミスズメ科の海鳥で、これらの仲間のうち最も小型の部類である。
 ウミスズメの繁殖が初めて天売島で確認されたのは、1956年のことである。同年より鳥類保護のための監視人の任についた村田氏により、約500羽の繁殖が認められた。当時、天売中学校の教師だった村田氏が転勤でいなくなってから、ウミスズメの観察記録は長い間途絶えた。

天売島では6月を中心に10羽以下の小群で観察される

飛ぶのではなく潜水して遠ざかることの方が圧倒的に多い

6月の沿岸での観察は頻繁 近年発見されない営巣場所やヒナ

 その後、綿貫氏らによって1981年に卵殻、1982年と1983年に巣立ち雛、1984年に抱卵中の成鳥の死体が発見されている。さらに、寺沢は1994年、赤岩展望台付近で孵化後と思われる卵殻を採取している。これらの記録から、天売島での過去におけるウミスズメの繁殖は確実だが、近年におけるその数や実態は明らかではない。
 地面の穴や岩のすき間などを繁殖場所としているのであれば、ウトウ繁殖地の周辺部や、海鳥繁殖地の周辺部などでひっそり子育てしている可能性もある。

 5月から7月初旬にかけて、天売島や焼尻島沿岸では数羽から十数羽の群で浮かぶウミスズメを、頻繁に観察することができる。天売島はもちろん、焼尻島をも含めたウミスズメの繁殖実態調査が待たれるところである。

天売島では海岸線から数百メートルの沿岸で見られることが多い
 冬の期間、天売島・焼尻島周辺には、多くのウミスズメ類が越冬のために訪れる。コウミスズメ、エトロフウミスズメ、マダラウミスズメ、ウミオウムなどであるが、島の漁師も海上での操業中、ウミスズメ類を目にすることが多いと聞く。彼らがこうした海鳥の識別が出来れば、かなり貴重なデータの蓄積が可能となるだろう。