和名・英名
ウミネコ  Black-tailed Gull
学 名
Larus crassirostris
分 布
北海道から九州まで集団繁殖地があり、成鳥は繁殖期には繁殖地付近にだけ見られるが、若鳥は夏にも全国の海岸にいる。
計 測
全長 46.5cm、嘴峰 44-56mm、翼長 340-390mm、ふ蹠 50-61mm
食 性
雑食性。魚類(イワシ、イカナゴなど)、両生類無尾目(オタマジャクシなど)、昆虫類(ハエの幼虫など)である。そのほか漁場に捨ててある残骸も好んで食物とする。
卵 数
2〜3個 稀に5個
 卵
オリーブ色、淡灰褐色などの地に暗褐色の斑紋と灰鼠色の斑点がいちように散在する。
個体数
2008年 12,000羽

ウミネコの卵


増加が一転 減少の背景に何が?

 ウミネコは天売島の海鳥繁殖地の景観をつくる主要な要素だ。ところが近年、その個体数は低迷し、繁殖成功率の変動も年によって大きい。その原因として、餌生物の影響の他に、野ネコによる捕食圧の増加を研究者は指摘する。
 黒田長久氏は1963年の天売島における調査結果として、ウミネコの生息数を控えめな算定として5万羽と推定している。1972年の特定鳥類等調査によると1万684羽、1977年の同調査では約1万6000羽。
 ウミネコの数に関しては、多数生息していることから調査結果にかなりの誤差があるとしている。

早春に縄張りの境界をめぐって争うウミネコの雄

ウミネコの親子
 綿貫豊氏らによる1985年の調査では、繁殖個体を6万羽。その当時におけるこれらの種の数の変化は、「ウミガラス等海鳥群集生息実態調査報告書」(北海道環境科学研究センター、1995年)に詳しい。

移動するコロニーと個体数減少に野ネコ影響か?

 オオセグロカモメ、ウミウが増加傾向であるのに対し、ウミネコは1993年をピークに減少に転じている。この当時、ウミネコは、赤岩展望台周辺から千鳥ヶ浦一帯にかけてその繁殖場所の中心だったが、千鳥ヶ浦から観音岬方面への移動が始まった。

天売島の三角地点である184.5mの丘から千鳥が浦にかけてかつてウミネコのコロニーだったが現在は消滅してしまった
 1998年頃には、観音岬に島内最大のウミネココロニーが形成されるにいたった。また、天売島で繁殖していたウミネコが、利尻島へ移動して繁殖していることも確認されている。
 なぜウミネコが天売島から減り、利尻島へ移動したのか、コロニーを観音岬へ移したのかは分かっていない。はっきりしているのは、ペットとして持ち込まれたネコが野生化し、野ネコとなって海鳥繁殖地で増殖しているということだ。それらの捕食圧がウミネコの繁殖に与える影響が、年々大きくなっていることは確かだ。